白い骨

いるのにいない

その身体があなたが目の前にいるのに
動かないのはどうして

冷たく固まってしまったのは
時間でしょうか

もうその名前をあなたに向けて呼ぶのも
最後になります

あなたから名前を呼ばれるのこともなくなってしまいました

今にもあの階段から降りてくる音が聞こえそうでなりません

私があなたを抱き締める勇気があればなにか変わったのでしょうか

素直さと勇気があれば
私にはなにかできるチカラがあったでしょうか

私に良く似ているあなた
あなたに良く似ている私

私の人生の半分以上をあなたと過ごしてきました
 
私がもっているものの半分以上はあなたからのものです

抱えきれないほどのあなたが私の中に今もとても鮮明に生きています

いずれ私はあなたの歳を越してしまうでしょう

そうしたら私の方がお姉さんになってしまいますね

生きていくことはとてもとても色々なことがあるけれど
例え希望がなくても生きていきたい
ただ生きているだけで
それだけでいいじゃない

あなたはあなたしか生かせられない
あなたには誰もなれないのだから
いてくれるだけで
私もそこにいられたのです

幸せはいつだってあなたを見放しないで寄り添ってくれている

それは当たり前過ぎて気がつけなくなってしまうこともあるのです

赤ん坊のように小さく小さくなったあなた

あなたは人の涙の海に溺れていく

悲しい子守唄はいつまでも止まないまま