音階

膜のような氷の上は鏡の様に
私と世界を映し出している

それを踏みつけると
鼓膜を擽るような音で
全てが心地よく歪んだ

空がどんどん離れて
暗く深い美しいコバルトブルーに落ちて身体は振動し鼓動は次第に速度を落としていく

人は人を狂わす
自分を持て余しその刃で噛みつきあい
その痛みを代償として
また自分をグリーミングするのだ

信用という言葉のグロテスク
私とあなたはノイズ

溺れていくよ
会話の不協和音

オノマトペで愛したいのに