父も母も逝ってしまった。

悲しさを白く塗りつぶしていくような日々で、たまに厚く塗りすぎてポロリと剥がれ落ちて浮き出てしまう瞬間がある。

時間が経つほどに事実より疑問になってくる。

なんでだろうと。

父と母は年の差が15歳あった。

母が亡くなる2日前にあっていて、いつもとなんら変わりはなく1日にLINEも入っていた。

ただそれがいつも通りがいつも通りではなくなってしまった。

もう昼間に用事がなくても電話をかけたり、意味のないようなくだらないLINEを送る相手がいなくなった。

ちょっと寂しい時にドラえもんみたいな声で話してくれる母はいないのだ。

小さい頃からずーっといつか母が死ぬことがとても怖かった。

怖くて眠れなかった。

それなのにこんなにあっさり何事もないかのようにいなくなってしまうだなんて信じられなかった。

私の人生はけして明るいものでもなかった。

私は母を2回亡くしている。

育ての親みたいで私の半生を一緒に暮らした長女と母だ。

普通の人より家族が多い分悲しむことは多いとは思っていた。

でももう家族が亡くなるのはもううんざりだ。

人はいつか消えてしまう。

私だって明日、いやこの瞬間もいつどうなるか危ういのだ。

でも、生活をしているとそんなことなんか忘れてしまうのだ。

無意識の生と無意識の死。

わからないんだ、そんなものは。

ただただ人は生きれない。

色んなしがらみや色んなものに塗れながら生きていて、人である以上野良猫のようには生きられやない。

親を失ったら、亡くなった親の為にできることはただなるべく幸せに生きることでしかない。

このどうしようもない世界で、それでもこんな私を好いていてくれて大切に思ってくれている人達がいるのは本当に嬉しい。

さて、私はどう生きようか。

私は。