無常な華

燃え咲かれぬまま
赤い華は首から
ボトリと
その重い蕾を落とした

黒く変色したそれからは
ひどく甘ったるい匂いがして
その中から沸くように蟻が這い出た

蝿が螺旋を描き
その無常な音楽を奏でた

誰もその華を見ようとはしなかった
誰にも知られず
土に還る華よ

お前は静かに
また華になる