snow white

あなたの為にだけに鈍感になって
なんで気がつかないんだよって
震える悲しい声で言われたい

私はあなたの愛情なんて
まるで忘れているように
どこか遠いところを見つめていたい

集中線や軸が全て心臓に交差していても
その痛みがわからないでいたい

もう二度と夢中になんてなってやらないからずっと側にいてよ

離れたくても離れられないそのつらさを
じっくり味わえばいい

肉が腐敗して熟成されて僅かな芯の旨味が増すように
膝から何から崩れ落ちて落ち続けて

愛し愛される奇跡の日々を
思い出して噛み締め
そのくちびるでkissして

もうそれで目覚めることはないから

花と風と口づけ

世界と間逆に進む

どうせもう
私の心は戻ってこないのだから

君の好きそうなものがわかってしまうのが悲しい
君に繋がるものはもういらないのに

花は枯れたらまた咲く
女はどうなのだろうか

動植物のように人は生きていけない

考えるから無駄なことをする
気ままにキスして
その後気まずくなったり
忘れることができない

風のように過ぎ去っていきたいのに

あなたから
わたしから
そういうの関係なく
求め合えたら

瞬きしても消えないで
そばにいてよ

音階

膜のような氷の上は鏡の様に
私と世界を映し出している

それを踏みつけると
鼓膜を擽るような音で
全てが心地よく歪んだ

空がどんどん離れて
暗く深い美しいコバルトブルーに落ちて身体は振動し鼓動は次第に速度を落としていく

人は人を狂わす
自分を持て余しその刃で噛みつきあい
その痛みを代償として
また自分をグリーミングするのだ

信用という言葉のグロテスク
私とあなたはノイズ

溺れていくよ
会話の不協和音

オノマトペで愛したいのに

rain song

山道を歩き雨に沈み落ちていく

肺を膨らます空気は冷たく澄んでいる 

生き辛さを荷下ろすように
腰掛ける岩の上

苔のように静かに蝕む愛ならば

蹴り散らす欲望 
鈍痛が響く肋骨の奥

ここまでくるのに何度溜息が溢れたのか 

土の中に眠るあなたよ

最後の口付けをしよう