詩
誰に頼まれず生きている勝手に生きるのだ明日も明後日も
悲しみさえも喰らっていけそれは好機だとどこまでも貪欲なあなたあなたがみている世界は優しさなど不要で孤独と痛みが美しく輝いているそれは人を超えた世界の姿もっと私よ強くあれ研磨されまるくなるのか鋭くなるのか私はまだ世界の片鱗さえも触れることさ…
誰のものにはならないものには勝手に祈りとか願いとか捧げてしまおうそうやって人は無垢でけして手に入らないものでさえ穢していく
いるのにいないその身体があなたが目の前にいるのに動かないのはどうして冷たく固まってしまったのは時間でしょうかもうその名前をあなたに向けて呼ぶのも最後になりますあなたから名前を呼ばれるのこともなくなってしまいました今にもあの階段から降りてく…
春風過ぎて纏わりつく暑さと生臭さの夏の匂ひ張り詰めた弓の様に木々は青々とその身を大きく大きく広げる下着が汗を吸いきって重くなる午後は虫の喧騒を横目に果汁の滴る水蜜桃を頬張る君のような頭でっかちの人間はプールに頭からザブリと飛び込めば良いだ…
燃え咲かれぬまま赤い華は首からボトリとその重い蕾を落とした黒く変色したそれからはひどく甘ったるい匂いがしてその中から沸くように蟻が這い出た蝿が螺旋を描きその無常な音楽を奏でた誰もその華を見ようとはしなかった誰にも知られず土に還る華よお前は…
言葉にすると辛いもの言葉にすると赦されるもの 言葉にしてはいけない言葉 言葉にならなかった言葉 言葉にするのを躊躇った言葉 どの言葉も心の奥に重なりいつまでも残っている 言葉は残らない 言葉は永遠