しらばっくれたって

不必要な優しさが
珈琲カップの底に沈殿している

飲んだ後が地層の様に内側に残っていた

無駄に弄んだ時間を強調するかのようにタバコの灰が高く積まれている

それは埃のようでもあり
死んでいった自分の細胞のようだ

ミルクを垂らしたように空は曇り
太陽が色を少しずつ盗んで
世界は白ばんでいく

だから太陽はいつだって美しい