なんで絵描いてたんだっけ

ブルーピリオドっていう漫画読んで、なんで絵描いてたんだろって、思わせられた。

 

私、なんで絵描きはじめたんだっけ?

 

私は物凄く自分に嘘つきで不器用な人間だ。

人よりとてもよく物事を細かく見過ぎてしまいがちだ。

人に向ける人格を内面から湧き出るものを押さえつけ、外側からの反応で主に構成している。

蓑虫のような感じだ。

 

本質的な私は世間的に悪い事を悪い事だとまったく思っていないし、素直でなくとても捻くれに捻くれていて打算的だ。

 

人によってオートマティックに性格がどんどん変わるから、自分のことを粘土みたいだなと傍観している。

 

まあ、これが素の自分だと言えばそうだし自分が思っているほどそうではない自分もいるのだろう。

 

初めて素直に描いた絵は恐る恐る描いた。

人に本当に好きなものや思考を誰1人、知られたくないから、絵でその正体が暴かれるのが怖かった。

でも、心のどこかでかけていたもの、湧き出る感情を初めて感じたときだった。

 

人間の日常生活なんて大体決まっている。

だけどそれを切り取って、自分が見えなかった自分をみれる瞬間は本当に生きてることの気まぐれさや、危うさや神秘的なことというのをよく思い出させてくれるのだ。

 

自分がただ生きてると思っていただけで、本当はめちゃくちゃすごいことが目の前で起こっていたんだって思うとき、私の中の何かの存在に気がつく。

 

何十層にもなった自分を変えて、原点の自分が剥き出しになる。

痛くて苦しくて恥ずかしてどうしようもない気持ちの悪い、生まれたての自分。

 

生臭くて汚い部分の自分だ。

 

でも、それでいいんだ。

それを他者にそのままぶつけるのはちと訳が違う。

この感情は言語を超えている。

常識もなにも関係ない私だけのペーストだ。

言動で伝えられない下劣で猥雑ででももっとも原始的なそれを作品にすることで誰か遠くの人にシグナルを送るのだ。

 

ここに私という人間がいて、あなたを待っていたと。

 

互いに存在することが認識されればいい。

私の身体や言葉を吹っ飛ばして、星や月や空気みたいに。